115系

国鉄を代表する近郊型車両

115系は国鉄時代に製造された直流近郊型電車である。

113系が大都市圏近郊など比較的平地を走るのに対し115系は寒冷地や山間部など険しい地形、環境に対応した車両となっている。

1963年から約20年に渡り製造が続けられ日本のほぼ全ての直流電化路線に投入された。民営化後も各地でJR車両に混じって活躍していたが2010年代から各地で置き換えが急速に進んでいる。

新潟車両センター

かつては「國鐵新潟」と揶揄されるほど国鉄車両しか走っていなかった新潟地区。115系は新潟県内ほぼ全域で活躍しカラーバリエーションも豊富だった。

そんな新潟地区も近年はE129系の導入により置き換えが進んでおりJR東日本最後となった115系の牙城が崩れ去るのも時間の問題である。

↑4両編成のL編成は新潟車両センターに14編成所属していた。編成の中には製造から半世紀以上経った基本番台車を組み込んでる物もあり全国の115系の中でも特に古いグループであった。

現在は全編成廃車となっている。また、このカラーリングは2次新潟色で通称「キムワイプ」である。

↑2両編成のS編成は15編成が所属していた。

当初トイレが無かったがサービス上問題があるため一部編成にトイレが設置された。

現在は全編成廃車となっている。

↑3両編成のN編成は新潟車両センターに7編成所属している。過半数の編成にリニューアル工事が行われておりシングルアーム式パンタグラフに交換されている編成もある。

写真の車両のカラーリングは3次新潟色である。その他初代新潟色、1次新潟色、1次弥彦色、2次弥彦色、湘南色が存在する。

↑弥彦線用2両編成のY編成は3編成が所属していた。

ワンマン運転に対応しており500番台で構成されているためかなり古い。

カラーリングは2次弥彦色で通称「レモン牛乳」。ローカル線に路線専用のカラーリングが用意されるのは全国的に珍しい。

E127系に置き換えられるかたちで2015年に全編成廃車。

高崎車両センター

上越線高崎水上間、吾妻線、両毛線、信越本線高崎横川間のローカル輸送に就いていた。

↑高崎地区の115系は高崎車両センター所属の4両×11編成と3両×9本が運用に就いていた。

色は全編成が湘南色であった。

番台区分は寒冷地に対応した1000番台。

2016年に4両編成は全て引退した。

↑3両編成の高崎地区用115系。こちらも2018年に全編成が引退し高崎地区から115系の運用は消滅した。

豊田車両センター

全車両が豊田車両センターに所属しており中央本線立川小淵沢間、富士急行の運用に就いていた。

↑山梨地区の115系は豊田車両センター所属の3両×12編成が運用に就いていた。

色は中央本線に115系が初めて導入された時の色である横須賀色で「山スカ」の愛称で親しまれていた。

番台区分は300番台。冷房を搭載し扇風機を廃し、中央本線の狭小トンネルに対応するため、パンタグラフの折り畳み高さが低くなっている。

2014年に全車引退している。

↑単独編成での運用は主に塩山~甲府~韮崎のピストン運用と富士急行に乗り入れる際行われていた。

長野総合車両センター

1977年より導入が開始され2015年まで定期運用に就いていた。

↑3両編成のN編成は中央本線の甲府中津川間、飯田線辰野飯田間、篠ノ井線、大糸線松本信濃大町、信越本線篠ノ井柿崎間、しなの鉄道篠ノ井小諸間の運用に充てられた。カラーリングは2代目長野色。長野五輪を機に塗り替えられた。

↑一部湘南色に塗り替えられた編成もある。

2015年をもって定期運用を離脱し廃車、新潟地区、しなの鉄道への転属により長野車両センターから115系は消滅した。

↑6両編成のC編成は14編成が所属していた。主には中央本線・篠ノ井線の立川松本間の運用に就いていた。

↑C1編成は2014年に横須賀色に塗り替えられた。若干色の濃さと塗り分けが本家と違う気がするがそこはご愛敬。最後のC編成として存続し2015年11月のさよなら運転をもって引退した。

しなの鉄道

東日本で最も115系が活躍しているのがしなの鉄道管内である。近年様々なカラーリングが復刻しており編成ごとの運用も公式に発表されている。

↑3両編成のS1からS16編成。色はしなの鉄道オリジナルカラー。ドア上部に広告を表示するディスプレイの設置、ワンマン運転対応、トイレ封鎖などの改造が行われた。

↑横須賀色に塗り替えられたS16編成。

↑初代長野色に塗り替えられたS7編成。初代長野色は約15年ぶりに復活した。

↑湘南色に塗り替えられたS2編成。

↑コカ・コーララッピング編成だったS11編成。1987年にに長野支社内で走っていたラッピングを復刻したもの。現在は別のラッピングが施されている。

↑新長野色のS15編成。長野地区で最もなじみ深いカラーだが復刻カラーが増えたおかげで逆に珍しくなってしまった。

↑S21編成からS27編成は2両編成となっている。

↑2014年に運行を開始した観光列車「ろくもん」に改造されたS8編成。デザインは水戸岡鋭治氏が手掛けた。

↑友好協定を締結した台湾鉄路管理局の車両カラーにラッピングされたS9編成。「台湾自強号色」と呼ばれる。

岡山車両区

2020年10月現在岡山車両区にはJRグループ最多の165編成が所属しているがまだまだローカル輸送の主力として活躍中。

↑4両編成のA編成は12編成所属している。全編成1000番台体質改善車で構成されており全面表示器がLED化されているのが特徴。また、全編成末期色に塗り替えられている。

↑3両編成のD編成は31編成が所属している。一部の編成は体質改善工事が行われている。

↑D26編成とD27編成は湘南色に塗られている。

↑4両編成のL編成は2編成が所属していた。全面表示の幕は何も書かれていない。現在は全編成廃車された。

下関総合車両所運用研修センター

広島・山口地区の運用には下関総合車両所運用研修センター所属の列車が就いている。

かつては「國鐵廣島」と揶揄された広島地区も323系による置き換えが進んでおり広島地区から115系は消滅した。

↑4両編成のL編成は下関総合車両所広島支所から転属してきたグループ。1000番台を暖地仕様にした2000番台で構成されていた。