183・189系

特急型車両の礎を築く

183・189系は国鉄時代に製造された直流特急型電車である。

千葉地区の電化及び東京駅総武本線ホームの地下化に合わせ導入された。特急型車両として初の片側2扉を採用し座席は簡易リクライニングシートとした。食堂車やビュッフェ車両の連結は考量しておらず現代の特急型列車の原型を築いたといってもいい。

189系は横川軽井沢間でのEF63形との協調運転に対応したものである。

民営化後はJR東日本とJR西日本が所有していたが2019年に本系列は消滅した。

長野車両センター

JRグループで最後まで183系系列が所属していたのが長野車両センターには6両編成4本が所属していた。晩年は中央本線特急の波動運用、ムーンライト信州、しなのサンライズ、おはようライナー、妙高号などに使用された。

↑N101編成は先頭車が183系で編成が組まれていた。絵幕が入っていたので特急運用時は「あずさ」、「かいじ」などの幕を掲げていた。2015年に廃車。

↑N102編成は日本で最後まで残った183系系列の車両。全車両が189系で編成が組まれていた。

色は特急あさまカラー。

↑N103編成は両端の先頭車が485系の改造車。

2015年に廃車。

↑N104編成は全車両が183系で構成されている。特急運用時は「特急」幕を表示していた。2015年に廃車。

豊田車両センター

豊田車両センターには6両編成3本が所属していた。中央本線特急の波動運用、富士急行に乗り入れるホリデー快速富士山の運用に就いていた。

↑M50編成は幕張車両センターの183・189系が廃止になって以降唯一のあずさ色となった。2018年に廃車。

↑M51編成は長野車両センターのN101編成、N104編成廃車後唯一の国鉄色の183・189系となった。元々国鉄のシンボルマークは付いていなかったが2015年に復元された。2018年に廃車。

↑M52編成は元々国鉄色だったが2014年にグレードアップあずさ色に塗り替えられた。国鉄のシンボルマークも後に復刻されたものである。2018年に廃車。

幕張車両センター

幕張車両センターに最後まで残った2編成は全車両183系1000番台で編成が組まれている。

↑マリ31編成。ホリデー快速富士山として富士急行に乗り入れる事もあった。2013年に廃車。

↑マリ32編成。2013年に廃車。

田町車両センター

田町車両センターに所属していた183・189系は主に団体列車、臨時列車に使用され臨時列車化されたムーンライトながらにも使用された。

↑H101編成は全て189系で構成された10両編成。2013年に廃車となり一部の車両はM51編成に組み込まれた。

主な運用

↑新宿から松本を結ぶ特急あずさ。E351系、E257系導入後は多客時の波動運用に就いていた。

↑新宿から甲府を特急かいじ。あずさ同様晩年は波動運用に就いていた。

↑小山・新宿から富士急行に乗り入れ河口湖を結ぶ臨時快速列車「ホリデー快速富士山号」。富士山が世界遺産に登録される前は「ホリデー快速河口湖号」だった。183・189系引退後E257系500番台が後を任されたが特急「富士回遊」に置き換わる形で廃止された。

↑塩山から長野を結ぶ臨時特急列車「甲信エクスプレス」。2015年に新しく登場した特急列車で長野で北陸新幹線との接続を考慮したダイヤが組まれた。

専用の幕まで作られる気合の入れようだったが思いのほか利用客が少なく1年ほどで廃止された。なお、車両は一貫してM52編成が使用された。

↑新宿から白馬を結ぶ臨時夜行列車「ムーンライト信州号」。全席指定で主に大型連休や多客時に運行された。上り列車は利用客が少ないため往復で運転される事はあまりなかった。2018年を最後に運行されていない。

↑長野から直江津を結ぶ普通列車「妙高号」。3往復運転され2号以外は各駅停車であったが183・189系が使用され指定席も設定されていた。長野直江津間が経営移管されたため廃止された。